私たちは、いつも快適な住まいへの夢を描いて生きてきました。でも今そんな夢は、健康に生きるための切実な願いに変わってきています。住まいは今、身体への害が心配される存在となり、身体にやさしい住まい作りが大きな課題になっているのです。
なぜ、シックハウス症候群が増えているのか?
新築住宅に引っ越すとともに頭痛がする、だるいなどの症状が出た、そんなシックハウス症候群の増加が問題になっています。その大きな原因になっているのが内装材の接着剤や塗料などに含まれる有害化学物質です。気密性の高いコンクリートの住まいは、風通しが悪いため汚染された空気が溜まりやすく、またカビなども発生しやすいためシックハウスの症状が出やすいと言えます。
人だけでなく、環境への配慮も住まい作りにおける重要な問題になっています。通気や断熱、湿度調節などをできるだけ自然にゆだねる省エネルギーな構造、周辺の景観との調和、そして末永く暮らせる耐久性などが求められるのです。
短命住宅が産業廃棄物になる。
天然の木などリサイクルできる素材を使わずに、耐久性にも乏しい住まいは、極端な言い方をすれば早く大きなゴミになってしまいます。さらに、燃やすと有害な新建材などを使っていると、それは単なるゴミではなく、有害なゴミなのです。今、環境にやさしい住まいづくりを根底から考えるべき時期にきていると言えるでしょう。
人にやさしく、環境にもやさしい快適な住まいづくりは、自然のよさを知るところから始まります。今、現在の住まいが、仮にシックハウスであっても自然の力を借りれば改善する方法は沢山あるのです。例えば通気に気を配り、自然の風を入れる、安全性の高い自然に近い内装材でリフォームする、室内の空気を浄化する観葉植物を置くなどです。
そんな中で木の家造りが今、見直されています。木は、建材となり、家になってからも生きています。 住む人とまわりの環境と一緒に共生するのが木の家なのです。木の住まいは、湿度を調節し、暑さ寒さから私たちを守り、そして、精神的にも大きなやすらぎを与えてくれます。一般住宅だけでなく、学校の校舎においても子供の身体と心への影響を考えて木造を見直そうという動きも出てきました。